理学療法士のたまり場

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糖尿病 合併症①


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糖尿病患者では合併症のリスクが出てきます。

そこで、今回は合併症等の事をまとめ書いていきます。

 

血糖コントロールの目的
血糖のコントロールは、合併症の予防や進展の防止することにより、健康な生活を維持するために重要である。糖毒性によるインスリン分泌能のさらなる低下を抑えるためにも良好な血糖コントロールは必要

合併症
1)急性合併症
糖尿病ケトアシドーシス高血糖浸透圧症候群
感染症を合併した場合には急激にコントロール状態が悪化する事が多い。その場合は口渇、多尿、体重減少、倦怠感などの症状が認められたならば、早期の受診が必要なことを教育する事が必要
2)慢性合併症
網膜症
腎症及び神経症
冠動脈疾患
脳血管障害
抹消動脈疾患
糖尿病性網膜症
出血
白斑
網膜浮腫
硝子体出血
網膜剥離…失明の原因となる
病期…正常・単純網膜症・増殖前網膜症・増殖網膜症の4期に分けられる
糖尿病性腎症
血清クレアチニン値から算出され糸球体
糸球体濾過量と尿中アルブミン排出量あるいは尿蛋白排出量によって評価される。
病気は1期から5期までに分類される。

糖尿病性腎症病期分類2014 (日本腎臓学会誌56(5):547-552 2014より転載)
病期 尿アルブミン値  GFRあるいは尿蛋白値 
第1期(腎症前期)  正常アルブミン尿(30未満)  30以上
第2期(早期腎症期)  微量アルブミン尿(30~299)  30以上
 第3期(慢性腎症期)  慢性アルブミン尿(300以上)  30以上あるいは持続性タンパク尿(0,5以上)
 第4期(腎不全期)  問わない  30未満
 第5期(透析療法期)  透析療法中  

糖尿病性神経症
1多発性神経症
両足の神経障害
起立性低血圧
便秘・下痢
2自律性神経症
無力性膀胱

感覚障害は血糖コントロールによって改善する事もある
場合によっては投薬が必要

単神経麻痺
外眼筋麻痺・顔面神経麻痺
多くの場合は自然寛解する

動脈硬化性疾患
冠動脈疾患・脳血管障害・抹消動脈疾患などがあり、境界型や軽症の糖尿病でも高い頻度で合併する
冠動脈疾患による心筋梗塞では無症徴候なことが多い
脳血管障害としては、脳出血よりも脳梗塞が多い、小さな梗塞が多発し、脳血管性認知症に至る傾向がある。
抹消動脈疾患では、間欠性跛行を訴えることが多い、足関節上腕血圧比がその診断に役立つ予防には、糖尿病のコントロールメタボリックシンドロームの是正が重要となる

糖尿病性足病変
臨床的に重要、発症には、糖尿病多発神経障害・循環障害・外傷・感染症などが複雑に関連している足の潰瘍・切断などに至らないよう観察と管理が必要

高齢者糖尿病患者

糖尿病コントロールを悪化させ、ケアの上でも大きな問題となる。
血管障害が原因として重要とであるが、重症低血糖がその原因になる事もある